| 10月の栞 『おしらじの滝(幻の滝)』 |
記憶がある中では、先日の台風24号は強風(暴風)の凄さでは2番目に怖い思いをした。辻堂でも40メートル近い最大瞬間風速を記録したと言うから驚きだ。拙宅は高台にあるので、雨はいくらでもウエルカムだが、風は他のどの戸建てよりも強く当たる。幸い被害はなかったが、斜め向かいのM宅の二階部分のサイディングが、畳2枚ほどの広さで剥がれ、道路に散乱、中に入っている断熱材(グラスウール?)が千切れた綿のように拙宅のフェンスに絡みついたり、外壁にベッタリくっ付いたりしていた。お気の毒なので秘かに片付けたが、被害はそのお宅だけだった。翌日と言うか、その日は台風が未明に通過し、日付が変わってから午前3時ごろまでが相当に酷かった。この日、来塾した生徒のほとんどが寝不足で、ボーとした感じで、自分も同じく。気持ちでカバーしたものの早くGo to bed.したかった。
中2女子のお父さんは材木店経営で、その日材木を買いに来る工務店や大工さんで大忙しだったそうだ。近所のGSは3日間くらい洗車する車が県道に溢れ、一部トラぶっていた。木々の葉は見事に塩害で枯れ落ち、冬の木立にも似た寂しさ。自分の車も、夕日に塩の結晶がキラキラ輝き、様にならない。
台風24号の置き土産は多方面にわたり、小さな被害は多かれ少なかれ、どなたにもあったことは否めない。そんな中、呑気に?日光小田代湿原に「湖」が出来たとか、袋田の滝の水量が増し、豪快な流れだとか、普段はめったに見られない幻の滝が出現したなどと、大きな被害に遭われた方には、気持ちを逆なでするような報道がなされているのには、些か気が引ける。
10月最初の休日、「白駒の池」「志賀高原」あたりが紅葉しているので、頭の片隅に入れておいた。しかし、庭の無残な台風での落葉を見ると、どことなく行く気が薄れていく。そこで、自称「首都圏・ウォッチャー」を名乗る近藤師匠のお手伝いよろしく「おしらじの滝」を「ウオッチ」しに行くことにした。ついでに那須方面に足を伸ばし、紅葉が始まったばかりの「茶臼岳」もいいかなと思っていたが、予報に反して一向に太陽は顔を出さず。中途半端な景色を撮ってもまた足を運ぶことになるので(行かなければ行かないで、そのうち本当に行きたいと思う場所以外は忘却のかなたに消える)、わざわざ栃木まで行ったにも拘らず、ここは潔く?「おしらじの滝」だけ撮ってすぐに引き返すことにした。
3時10分出発、6時15分到着。やはり3時間はかかる。東北道矢板ICから県道30号を走り「泉」交差点を左折、県道56号線へ。あまり大きくない交差点(信号機あり、目印はGS)で、もし青信号だとナビの案内が追いつかず(お前のスピードの出しすぎとの指摘あり)通過してしまう可能性あり(自分のことだが)。下調べによると、やや場所がわかりにくいとのことだったが、とにかく「矢板高原(たかはら)山の家」をナビにインプットし、付近まで来たらナビの「ここを右折です」を無視して5分ほど県道を直進。オレンジのナチリューム灯が点いている下りヘアピンを過ぎると、チェーン脱着所を兼ねた駐車場が右手に見える。最近設置された真新しい「おしらじの滝駐車場」の案内板が目に飛び込んでくる。そして駐車場の左端に「入り口」の表示が、これまたピカピカで建っている。道は「獣道的」との説明もあったが、数年前NHKでも報道されたらしく、その頃から「知る人ぞ知る」人数が増えて行ったようだ。それでも足場は決してよくないし、急な下り。雨の降った後だと、相当滑りやすい。可也の人が訪れているらしく、獣道はやがて登山道になって行くかも知れない。下りながら、帰りは結構きついかも?と思うくらい降りる。滝を見に行くのだから、下がるのは当たり前だけれど、高さにして20〜30メートルくらいは下へ降りたような感じがした。
駐車場に到着時、三脚の準備をしていると、VOLVOで来ていた2人組が撮影を終えてあがってきた。よって自分は本日3番目だ。ただ、降り始めてすぐ後方にSONYのデジカメを持った若者が後を追う様に続いて来た。下りながら滝を見ることは出来ない。キョロキョロするほど足場はよくない。微かに水の流れ落ちる音が聞こえては来るが、それほど大きな水音ではない。ただ、まだ水は枯れてはいないと言う証明にはなる。右手に折れて初めてそれが現れる。果たして滝はありました。そして、直径5メートルほどの釜(しらじとは、鉢とか壷の意味らしい)はエメラルドグリーン。生憎の曇天で、色は今一綺麗ではない。もう少し周囲が明るくなれば、もっと綺麗だったかもしれない。実際に見たほうがもっと綺麗な色だと言うことは付け加えておきます。釜の周囲の足場は悪く、狭い。絶対に10人も来たら溢れてしまう。釜の手前には、大きな石が3〜4個「ここから先は危ないですよ」と言わんばかりに、水没防止的に置かれていて、ちょっと目障り(以前の古いおしらじの滝のHPを見ると岩はなかった)。
ラッキーなことに、ほんの15分ばかりの間だけ、誰もいない貸切の時間があり、気兼ねなく撮影することが出来た。ただ、一人で居ると多少の不気味さは無いと言ったら嘘。確かに足を滑らしたりしたら、お釜の中で水泳をすることになるし、足場の悪い岩の上に三脚を立てるのも細心の注意が要る。やがて滝の音にかき消されて気がつかなかったのだが、後ろを振り返ると、カメラマンや熟年カップルが来ていた。過去にも来たというカメラマンと話しをしたところ、以前は本当に整備されていなかったらしく、「ずいぶん歩きやすくなりました。」と言っていた。たいていの人(いや全員か)が、釜の淵まで来て記念写真を撮っていく。だからその間は順番を待っていなければならない。もっとも、そんなことは百も承知で、だからこそ早く来たのだが。やがて時間を追うに従って待ち時間が長くなって行く。太陽は一向に出て来そうにない。周囲の明るさも差ほど変わらない。いくら撮っても暗めの写真ばかり。F値とか、絞りとか機械的なことではなく、もう少し全体の発色が欲しかったのだが・・・。
7時を過ぎ、次第に降りて来る人(犬も)が増え、カメラマンから家族連れ、若いカップルへと「客層」が変化。こうなると、明るくなったところで撮影は出来ないので引き上げることに。車中で朝食のパンを食べ、空を見ながら那須高原行きを検討する。8時近くになっても雲は取れず、明るくもならない。仕方なしに、往復6時間、交通費(燃料代、高速有料代合わせて1万円)をかけた高い「首都圏・ウオッチ」となった。もっとも、マスコミだってこれだけを撮るために来るのだから同じか?
帰宅後、早速ダイレクト・プリントをしてみたところ、案の定エメラルドグリーンの色が実際より綺麗ではなかった。「もう少し明るければ」と思いつつ、太陽が差し込み過ぎるとコントラストが強すぎて、斑になったり白飛びして雰囲気が全くスポイルされてしまう。滝を撮影するときには、明るめの曇りがいいのだが、まあそんなにうまいこと一度訪れただけで成功することは少ない。あまり綺麗な色ではないにしろ、なんとなく神秘的な雰囲気を感じることが出来たかも知れないと思えたのは、手前味噌か?このまま、木々が紅葉する時まで、滝が流れていてくれれば、もう一度来訪してもいいかな?と思う反面、流れの無い「幻の滝」も見てみたい気もする、慾張りな自分が居ます! |
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