相棒の栞  モバイル版

栃木県塩谷郡塩谷町上寺島1614周辺
撮影日時 : 2018−10−26
10月の栞 『尚仁沢湧水』
10月8日に出かけた「おしらじの滝」が、その後どうなっているか気になっていた。「もう本当の『幻の滝』となって、流れが止まってしまっただろうか?」「付近は紅葉しているであろうか?」などと思いをめぐらすだけでも、心豊かな気分になれる。そんな気持ちが少し強くなって、再び出かけてみた。前回と同じ6時半到着。平日にも拘らず、水戸ナンバーの「トヨタ ハイ・エース」が一台止まっていた。「山の駅高原」に近づくにしたがって、以前よりは紅葉が進んではいたが思ったほどではなかった。「おしらじの滝」周辺も同じく。滝への下り坂で、静寂の中微かに滝の流れる音が聞こえ始めた。到着してみると、その水量は前回とほとんど変わらず、紅葉の方ももう少し後でなければ、「紅葉していました。」と言える状態ではなかった。「水戸のハイ・エース」さんも、「もう紅葉は遅いくらいだと思った。」と言っていました。更に、自分同様「水の流れていない滝」をご希望だったようで、10分足らずで「スッカン沢渓谷へ行く。」と言い残して去っていった。自分も、期待した滝の状態ではなかったので、テンションも上がらず車に戻った。もちろん数カットは撮影したが、天気も前回と同じ曇り。わざわざコーナーを設けてアップするほど、季節の移り変わりが見て取れるほどのものではないので省略。

夕方の仕事にはまだ時間があるので、10キロほど離れた「尚仁(しょうじん)沢湧水」を訪ねることにした。ご存知の方も多いとは思いますが、環境省選定「名水百選」のうちの一つ。平成9年には37都道府県の中でおいしい水の第一位を獲得したこともあるそうだ。名水の分野は近藤師匠が大変お詳しく、御殿場や丹沢水系に湧き水を汲みに、ご一緒した記憶がある。勿論、今回のプランの中に、この湧き水を汲んで帰る事まで織り込んでいたので(おしらじの滝が、不発に終わっても、タダでは帰らないため)20リットル・タンクとペットボトルを持参。ペットボトルは、直接現地で汲み取ったものを、冷蔵庫で保存、近藤師匠への土産とした。「天然アルカリイオン水」と書かれていると、本当なら「生」で飲みたいところですが、注意書きどおり、ポットで沸かし、お湯にしてからいただきました。舌がイカレテいるのか、味などわかりませんが、紅茶にしても緑茶にしても、色が濃く出ることだけは判りました。またこうして一週間近くこれを使っていると、飲料水として水道水に戻るのには多少の抵抗があるのも事実です。水汲みの順番を待っていると、軽自動車にポリタンク5つを積んで来るツワモノも居ましたが、解らないでもありません。ただし、ギックリ腰には十分注意が必要です。それにしても、帰宅するまで「ポチャポチャ」水の音がうるさかった。

原生林に囲まれた「尚仁沢湧水」の起点まで行くには、それなりの覚悟が必要。ゆっくり歩いても30分ほどだと言う案内はあっても、途中の景色がすばらしければ、倍の時間を見ておく必要がある。遅くても12時にはここを出発して帰らなくてはならないからだ。しかし、それは「杞憂」に過ぎなかった。撮影するに値する被写体がほとんど無いのだ。ただ、とんでもない上り階段と、それに続く鉄製の下り急階段、そこから先は尚仁川に沿って、ピンクのリボンを目印に歩くだけ。目的地までの距離案内は有難いけれど、後600メートル、後400メートルとか表示されていなかったら、途中で引き返したくなる道の悪さと、眺めの平凡さ。帰り道、終点の湧水に向かって歩いてきたカメラマンと出会い、立ち話をした。彼が尋ねるには、「この先、紅葉しているか」ということと「絵になる場所があるか」と言う点。奇しくも彼の口から出た言葉が、「途中あまりに紅葉していなくて、引き返そうかと思った。」との言葉。「せっかくここまで来られたのだから、あと400メートルくらいですから行ってみて下さい。」と、なだめる自分。紅葉は期待できないと、モニターを見せながらの説明。まあ、それほどカメラマンの望む景色には、応えてはくれないハイキングコース。

東荒川ダム湖半の「名水パーク」には、朝霧に日が差し込む紅葉写真がでっかく貼られていたが、別にここでなくても、条件さえ整えば他でも撮影できるもの(負け惜しみ)。よって今回は「尚仁沢遊歩道」の道案内的構成で、アップいたします。

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