相棒の栞  モバイル版

栃木県那須塩原市湯本塩原
撮影日時 : 2018−11−3
11月の栞 『スッカン沢=雄飛の滝線歩道』
地図にも載らない「おしらじの滝」に比べれば「スッカン沢」は、かなり有名らしい。スッカン沢に架かる橋、左手に20台くらい止められる駐車場がある。到着時、草刈の作業中で、工事用車両が5台ほど止まっていた。流石に2〜3台の先客はいたが、余裕の到着。実は後方に川越ナンバーの軽ワゴンを引き連れての到着。そう、先ほど「おしらじの滝」で暇つぶしに会話していた女性カメラマンが、くっ付いて来たのだ。当初、彼女は尚仁沢へ行き、名水を汲み朝食を取るといっていたのだが・・・。「付いて行っても良いですか?」と言われたが、初めての場所だし、それ程下調べを入念にして来たとは言え無いので、「どうぞ・・・」と快諾した訳ではない。しかし、その彼女(仮にイニシャルでY・Oさんとしておきます。)40代くらいの若さのせいか、とんでもなく健脚、且つ撮影意欲旺盛。お陰で自分はそれに振り回され、おそらく一人で歩いていたら決して近寄らないような、危ない場所まで付き合うことに。結果、随分撮影枚数だけは稼がせていただきましたが。片道2,3キロ、プラス「寄り道」で、3キロ近く歩いたせいで、帰り道足は攣り、膝が笑い、ふらふら状態。こんなシンドイ思いをしたのは、3年前の「横谷渓」以来か?それでも、あれこれ会話しながら被写体を見つけては、思い思いのアングルで撮影し合い、話が盛り上がった。

スッカン沢とは「高原山」のカルデラ跡を水源としており、鉱物・炭酸等の火山成分を多く含み、辛くて飲めないと言うことから「酢辛い沢」と呼ばれ、やがて「スッカン沢」になったと言う説明があります。駐車場から県道56号を横断し、橋の横から70段ほどの階段を下り、右手にスッカン沢(そう言う名前の川です)を見下ろしながら、緩やかな下りの遊歩道を歩きます。途中、いきなり階段が途切れていてびっくり。土砂崩れのようです。まず目に飛び込んで来るのは川の色。水溶液(透明)ではなく、明らかに多少何らかの混合物がある感じです。と言うのも、色がコバルト・ブルーや、クリアーなブルーではなく、水色に近いのです。多少白濁した感じの色です。 今回この水色をきちんと出したくて、撮影に臨みました。

初めに出会う滝は「素連の滝」別名「すだれ滝」。遊歩道からは、手前の木々に遮られて、よく見えませんが、数え切れない「伏流瀑」(ふくりゅうばく)となって岩の間から湧き出ています。その幅100メートルとも言われていますが、肉眼では遠過ぎて良く見えません。Y・Oさん、すかさず崖を下り、見通しの利く川辺へ。自分もまだ元気ゆえ、後に続く。流石に川岸まで降りて来ると、対岸の木々の間から小さな滝が数えられないくらい沢山確認できます。雨水を貯め、ろ過し、枯れる事の無い自然の恵みとスケールの大きさを目の当たりにした感じがしました。

程なくして、次の「仁三郎の滝」は現れる。この滝は、先ほどの「すだれ」と異なり、可也の水量を溜め込み、一気に流れ下る感じ。「仁三郎」とは、最初に見つけた人の名前を取ったとか?別名「舞姫滝」と呼ばれているそうですが、白いスカートをイメージしたとか?結構荒々しいので、全くそんな雰囲気は感じませんでしたが・・・。ここで、Y・Oさん、又しても無謀さ発揮。確かに橋の上からでは、手前の木々や滝壷手前の大きな岩が邪魔で、思うように滝全景を写せないことは事実ですが、だからと言って全然道など無い所を下って行ってしまった。自分は唯、彼女が無事に下まで降りてゆくのを願い、見守るだけ。しかし、川岸に下り立ち何事も無かったかのように、今度は川の中に点在する石に乗り撮影開始。その時やっと彼女が長靴を履いていることに気づいた。なんと言う用意周到さなんだろう!初めからここへ来る予定などなかった筈なのに・・・。ボーッと立っているのもアホくさいので、「ここは負けていられない!」とばかりに気合を入れ、自分も慎重に下りる。やはり、下から眺めると、手前にあった大きな石も画郭から外す事が出来、飛沫を上げる滝壺も迫力満点。橋の上を歩く人が実に高い所に位置して、こちらを眺めていた。われわれの姿を見つけて、数人のカメラマンが次々と下りて来たのには苦笑。滑って転んで、機材壊しても自己責任でどうぞ!

息を切らせて崖をあがり、ハァーハァーいいながら次の、そして最終の「雄飛(ゆうひ)の滝」へ向かう。程なくして「雄飛の滝展望台」の案内板。右に位置する展望台に上がるも、全くその雄姿は捉えることは出来ない。下調べをした時、「足に自信がある方は、少し先に下りる階段があり、そこから滝壷を眺められる。」と書いてあった。この時点で自分的には「足に自信」は無かった。疲労も募り、やや放心状態で展望台から先へ進むと、遥か下に木製の「スッカン橋」が見えてきた。しかし、その手前の階段の急なこと。橋の袂でY・Oさんが手を振っている!気がつかない振りも出来ず、仕方なく手を振って応える。「早くこっちへおいで!」と言わんばかりだ。やむを得ず「笑っている膝」をかばいながらゆっくり下りる。足場は相当に悪い。スティックを両手に持って歩いている人が多いのにはびっくり。本格的登山姿で、赤色の服装も多かった。勿論カメラマンも3割から4割はいて、すれ違うたびに挨拶を交わす。「雄飛の滝」の滝壺をしっかり見た時は、ひと時だけ疲労を忘れ、カメラを構えたが、気力はすでに薄れていた様で帰宅後モニターを見て、全然枚数を撮っていない事に唖然とした。

体力的にも時間的にも(たとえこの先が通行止めでなくても)限界。むしろ、復路の2、3キロが歩けるのか、その方が心配だった。帰りの道はスッカン沢を上る形。だから、たとえその傾斜がなだらかとはいえ、体力を温存して、ゆっくりと歩くことにした。Y・Oさんも自分のペースに付き合ってくれ、楽しく撮影が出来たと喜んでいた。最後の70段の階段では流石に力が尽きて、途中で休憩。5分ほど腰をおろしてから最後の気力を振り絞って、残りの30段ほどを上る。無事駐車場に到着した時の安堵感は、なぜか次なる行動のエネルギーに変っていた。Y・Oさんとは約4時間、お付き合いしたのに名前も名乗らないのも失礼かと思い、互いに名刺交換。一期一会の撮影会はTHE ENDとなった。この後、すぐに福島県会津若松市を目指し、エンジンをスタートさせた。時間オーバーで昼食を取っている余裕は無かった。

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