相棒の栞  モバイル版

長野県諏訪郡下諏訪町赤砂崎公園付近にて
撮影日時 : 2018−2−9
2月の栞 『諏訪湖御神渡り』
先日、「御神渡り」 の写真を送っていただいたF氏のコメントには、「是非日曜日のお休みの日にはお出かけ下さい。」との添え書きがあった。

で、 日曜日の天気を見てみると午前中雨、しかも気温が三月並とある。
最悪ではないか!ここは一発、気力を振り絞って行くしかない。
金曜日午前3時半出発、ガラガラの箱根越え。
山中湖まで最短90分の記録を10分短縮。
その国道沿いの気温表 示がマイナス15度。
滅多にこの付近ではお目にかかれない数字だ 。
「諏訪湖もさぞ寒いだろうなー」と覚悟を決めながら中央道に合流。
道路脇には雪は残っていなかったが、沿道の建物の屋根は、 薄明かりの中、白さが際立つ。
このところ、ずっと最低気温がマイ ナスを続けているので無理も無い。
早めの到着になりそうだったので、一つ手前の諏訪南ICで国道20号へ。
到着は6時35分。
既に、駐車場は60パーセントほど埋まっていて、関心の高さと、マスコミの威力を感じる。
場所は奇しくも、昨年「諏訪湖新作花火」を撮影した「赤砂崎公園前」。
諏訪湖の中でも、唯一湖に突出した場所だ。
この場所の直ぐ先、 と言うより目の前に氷の自然芸術品は存在していた。
情報では「 すわっこランド」前からも見られるとの事だったので、 行ってみたが殆どその形跡は僅かだった。
6時40分、退院してきたばかりの7Dに、 同じく綺麗に掃除された28〜300ミリを着け湖畔に下りる。

しかし、一際せり上がった氷(男の神様が歩いた跡)の前には、 可也の人だかりが出来ていた。
張られたロープは、 一応立ち入り禁止を意味するのだが、多少はみ出ても氷が可也厚いので、ミシリともしない。
アングルを微妙に変えて撮影する者、 氷の上に腹ばいになって動こうとしない女性カメラマン、 お互い周囲の撮影者に気遣いながら試行錯誤する。
何せ5シーズンぶりの判定(出現)だから大半のカメラマンが未経験の被写体だと 思う。
もっとも、言葉を交わしたカメラマンは昨日も来たと言うから経験値は勝る。
数人のカメラマンは「明日から天気が崩れる」 事を口にしていて、矢張り今日がひょっとして最終チャンスかも知 れないと思った。

7時少し前、八ヶ岳方向から朝日が顔を出す。
既にポイントは多く のカメラマンに抑えられてしまったので、仕方なく小さくせり上が った「御神渡りリ」から撮影。
別にダイヤモンド富士じゃあないから、単に氷の凸凹しか写らず。
一向に撮影ポイントは人が減ることがなく、待っていてもこのままでは時間ばかりが過ぎてしまう。
仕方がないので割り込む事に。
一部は湖岸からシッカリ三脚を立てて撮影したものの、アングルがイマイチ。
恐る恐る、 生まれて初めて氷の上に三脚を載せて撮影にトライ。
しかし、 氷の上では水平を保つのも容易ではなく、三脚自体がスライドして しまう。
後半は手持撮影を余儀なくされ、大自然の織り成す、神秘的光景を十分に表現する難しさを感じた。

今年の1月13日に完全結氷した諏訪湖は、 一旦解け始めたと言うが、その後低温傾向にあったため氷の厚さも10センチ近くまで達したようだ。
「御神渡り」は完全結氷の後、 湖面の氷が割れてせりあがる現象で、実に5季(2013年) ぶりだそうだ。
この氷が割れた跡を、氷の張った諏訪湖を神様が歩いた足跡とするところに諏訪地方らしさが込められている。
すなわち、諏訪大社上社の男神が下社の女神の元へ向かった「 恋の道」跡なのだそうだ。
そして、その足跡を正式に記録に留め、 認定するのが八剱神社の宮司さん。
氷の筋(方向)、 形状を確認した上で、2月2日に正式発表、 5日に拝観式なるものを実行した。
出来ればこの拝観式を撮影できれば言う事はないのだが、無職にでもならない限り不可能に近い。

地球温暖化の影響からか、2003年、4年、6年、8年まではコ ンスタントに出現していた記録があるが、 その後2012年13年と続いた後は、5年間後無沙汰。
しかも、 以前はせり上がりの高さが1メートル近くあったものも見られたら しいですが、それを知ってしまうと、今年のそれは、 せいぜい30センチ程度(さばを読んでも50センチはウソになる )、正直凄いと思うほどのものではありません。

撮影中に突然、例えようもない大音響が湖面に響き渡り、 そこに居た全員が暫し沈黙。
これこそが氷がせり上がる時の音なのでしょう。
「ガチャーン」では音が汚すぎるし、「カシャーン」では軽すぎる 、例えようの無い音。

よく、茶畑などで鳥などを追い払うときに鉄砲のような音で脅かしていますが、 あのような音をもう少し透明にした感じの・・・に似ているかも?
その後、8時を回り太陽の光が強くなると、 氷の下から微かに音がしてきて、 少しずつ氷が解けているような感じがしました。
カメラマンは後から後から引っ切り無しに駆けつけ、貴重な自然現象をカメラに収め ていました。

到着時の気温は13,3度、勿論マイナス気温です。
それに比べれば、8度近く気温が上昇、ふと我に帰ると指先の感覚 は全くなく、鼻水がタラタラ、相当みっともない顔だった事でしょ う!
残念ながら、周囲16キロほどの諏訪湖を一周して観察するには、仕事に間に合わないので諏訪湖全体を見渡せる、有名な立石公 園に立寄って全景を撮影してから帰路を急ぎました。

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