相棒の栞  モバイル版

静岡県浜松市天竜区神沢(六郎沢地内)
撮影日時 : 2018−6−13
6月の栞 『熊(くんま)ほたるの里(下調べ)』
10日の日曜日は、公立中の中間テスト前で休み返上。
代休? として13日を休日に。
丁度6月中旬の平日を休みにしておく と、どこかの源氏ホタルが見頃を迎えてくれる。

辰野は、今年いま一つ数が少ない。
12日現在、最高でも6000頭 に届いていなかった。
今後増える可能性もあるが、49日前の、蛍の幼虫がさなぎになるために上陸する数が、4月11日で5000 頭前後だったから、今年はあまり多くないことは判っていた。
よっ て候補から外す。
となれば、伊豆キャンプフィールド(冷川)と言う行き先もあったが、既にマンネリ傾向にあることも事実。
そこで 、今年3カ所目の新規開拓を断行。
それが耳慣れない熊(くんま) 。
れっきとした地名である。
市町村合併前は熊村だったとか?。

新東名「浜松北IC」から国道152号を天竜方向へ少し走り、県道9号に合流。
愛知県境方向(北北東)に40分くらい。
しかし、この県道9号(天竜・東栄線)がえらく走りにくい。
山に向かっているのだから、上り坂であるのはいうまでも無いが、阿多古(あたご)川に沿っ て走るので、(一般的にそうだが)曲がりくねった道路。
しかも幅が広い道が続くので油断していると、急に狭い道幅になり、そういう時に限って対向車が来たりするので気が抜けない。
道幅の広い新東名高速をガンガン走って来た感覚から、いきなりの狭隘路となった感じ。
林業、 茶の産地程度しか浮かばない山に囲まれた道を走る 。
時折、人家があったりするが、集落といえるほどでもない。
目的地に近付けば近付くほど、両側杉林の林道に近い雰囲気の道。
確かに、アプローチには若干の難がある。
それ故に、それ程多くの人が来るとは思えない。
こちらとしては、そこが狙い目の一つ。
幸か不幸か、「くんま蛍の里」の飛翔情報はパソコンを開いても見つからない。
この場所で撮影したという、写真も何枚か載ってはいたが、申し訳ないが参考にな らない。
毎年6月第3週辺りがピークとあるのが、せめてもの目安。 近藤師匠の同行をお願いしても良かったのだが、実際どれ程のゲン ジが見られるか全く判らない状況では、声掛けは失礼に当たる。
師 匠は自分と違って「蛍や花火」以外にも、お雛様・時代物の芸術作品・ 伝統的祭、季節ごとのイベント、花など、ジャンルが多岐に渡る。
「蛍や花火」に重点を置いている自分とは撮影の範囲が比較にならない程多岐に渡る。
そんなわけで、今回はお声掛けすることなく、単独で蛍新規開拓、 今年3回目の下調べへと出かけた。

車で約3時間チョッと、14時40分に出発し18時少し前に到着。
県道9号には県道47号線分岐の手前から蛍会場の案内が出ているので、まず迷う事は無い。
到着時、初老のご夫婦が既に到着していて、蛍会場前の駐車スペースに車を止め、散策していた。
「蛍ですか?」と声をかけると、「そうです。」との答え。
但し、 このご夫婦も情報は全く無いと言っていた。
ただ、「地元の新聞に 、紹介記事が出ていたので来た。」と言う。
その切抜きを見せて貰ったが、肝心の数などは全く触れておらず、不安ばかり増す。

18時半頃にはNPO法人「夢未来・くんま」の方が到着したので 、早速飛翔状況を尋ねてみた。
「先週よりは増えましたが、 まだそれほど多くはありません。」期待した答えは返ってこなかっ た。
どうも、この山奥に関しては例年通りのピークのようで、 来週辺りが良さそう。
自分がこの場所を選択したもう一つの理由は、自然発生の蛍だからに他ならない。
その辺も尋ねてみたが、以前よりは数が減っているとの返事が返ってきた。
先週の土曜日は、イベントがあったので、その時の様子を伺ってみたが、「来場者は200名を超えていたが、 蛍は10頭程度だった。」と、ますますショックを受けそうな話。

殆ど三方を山に囲まれた窪地のような場所。
天竜川水系の「(西) 阿多古川」の最上流に位置するこの場所は、多少伊豆キャンプフィ ールドに似ている。
あちらは、「冷川」の起点だし、傍に伊豆スカ イラインが走る。
こちらも県道9号を走る車のライトが気になる。
環境保全金は伊豆が500円、こちらは200円。
蛍の飛翔範囲は 、ピーク時の「くんま」を知らないので何とも言えないが、広範囲 と言う点では伊豆冷川か?
ただ、実際真っ暗になって気がついたことは 、意外にも車のライトが上手い具合に入り込まないのが「くんま」 。
伊豆は、露光をやめないと、車のライトで有り得ない写真が出来上がることが 多い。

流石、蛍を大事に見守っているNPOだけあって、 車の止め方に注文があった。
車を止める時、 フロント部分を崖に向け、やや斜めに駐車。
帰りに車を出す時には 、バックで車を出す。
「蛍会場にヘッドライトが当たらないように 止めて欲しい」、との要望があった。
案内書に「係員の誘導に従っ て下さい」と書かれているのはそのためだろう。
19時近くになり、張られていたロープが解かれ、200円払って急な下り坂を降りる。
もっとも道はコンクリートで整備されていて、灯り無しでも (入る時は当然、真っ暗な帰りも)十分心配ない。
意外にも、蛍観賞で歩ける範囲は広くなく、蛍の飛ぶ範囲は、それなりに広いものの、蛍が羽化した場所から滅茶苦茶遠いところまでは飛んで行かな い。
観賞エリアの長さは湯河原万葉公園より少し長い程度。
橋の上からが一番のポイントだとボランティアの方の案内通り、既にカ ップルが一組、三脚を立てていた。
自分も、入場を待っている間に、雑談を交わしていた二名のカメラマンと、その横に三脚を置いた。
豊橋市内から来たと言うカップルは、先週も来たと言うので、最高の情報源だった。
「先週は全くでした。僕、蛍を撮るの初めてだったので、 ピント合わせに苦労し、その上全然蛍もいなかったので、 今日はリベンジで来ました。」ニコンカメラに短焦点30ミリ( 前回はズームレンズだったそうで)を着けて、絶対撮るんだと言う意気込み満々だった 。
ISO感度や、どの辺にピントを合わせたら良いのか? など質問されるのだが、如何せん自分も初めての場所なので、 確かな事は言えない。
おそらく近藤師匠が居らしてくれれば、 カメラ操作に関しては的確なアドバイスができたことだろう!

19時40分、大体どこも同じような時間に草陰からひかり始める 。
矢張り、いつどこの観賞地でも、最初の点滅には感動を覚える。
そして、必ず誰かがそれを見つけ「アッ、光った」と言う。
その言葉に反応して、こちらのテンションも上がってくる。
期待したほどの数ではなかったが、事前に現地で仕入れたお話から予想できる頭数の飛翔となった。
元気さは旺盛で、休む事を殆どせずに飛んでく れた。
だから「のべ」頭数はいい線行っていた。
21時30分の営業時間までに、2〜3度パタッとお休みタイムがあったがそれも短時間で、 特別目立ったピークはなかったものの、コンスタントに飛んでくれ、 見学に来た人を楽しませてくれた。
カメラマンサイドで、 あえて蛍に敬意を払って言わせていただければ、 時間を持て余したりするイライラ感なしにスイスイ飛んでくれたので、撮影に専念出来た事に感謝。

21時半になって、NPOの係りの方が、入り口閉鎖の案内に回って来られたので、「結構飛んでました。有難う御座いました。」と お礼を言ったつもりが、「蛍に言ってください!」と言う返事が返ってきた。
「NPO法人・夢未来くんま」の方たちは本当に蛍を愛しているのだなと感じた。と同時に、自然発生の蛍ゆえ、 飛翔数に関しては、我々は関知いたしません、 と言うニュアンスにも取れた。

 <現地耳より情報>
(1) 200円を払うと頂けるパンフレットの中には、「 営業時間19時〜21時30分」とありますが、 入り口にロープこそ張られて、「立ち入り禁止」 の札も付けられますが、敢えて21時半で退場するに及ばず。
要するに、入り口に係りの人が誰もいなくなり、テント及びトイレの電気が消えてしまうということ。
よって、蛍さえ飛んでいれば、 それ以降も撮影は可能。
因みに自分の感覚的ですが23時までは、 それなりの飛翔はあったと実感。

(2) 何度か訪れる方には朗報!鑑賞会期間中2回目以降、協力金200 円不要。
但し、最初に支払った協力金200円のチケットを提示する必要 あり。
つまり、何回来てもその年は200円。
但し、 交代で担当するボランティアの方全員に周知徹底された決まりか否かは判りません。

(3) 地元の方のお話によると、その方が子供の頃(お年から判断して3 0〜40年位前か?)、この場所は虫取り網を一振りすれば、簡単 に捕まえられるほど蛍が大量に発生していたそうです。
10年位前 までは、この場所の蛍を保護していたお年寄りがいらして、その方 が亡くなってからは、減っているそうです。
それまでは、ツアー客 が近くまでバスで来て、道が狭いので小型に乗り換え、見学に来た とか。
出店も有ったらしい。

(4) 撮影中、隣のカメラマンや「昔のお姉さん?」二人組の話で、5月下旬から「掛川」のゲンジがいいらしいとか、「いなさ」インター 近くの「的場・別所」地区のバス通りに大量発生するとか、色々話 が飛び込んでくる。
「掛川」はネットでも有名で情報も沢山あるので、来年の下調べに組み込みたいところです。

「くんま」の総合判断としては、(他の場所の源氏ホタルが早くて も、それに左右されず)6月の第三週に行って見ないと、なんとも 言えないのでは?
但し、減少傾向であることは確か。
又、ボランティアの方たちが、交代で案内、及び交通整理に当たって居られるの だが、自分が23時頃まで三脚を立てている間に、蛍の数を数えに 来た係員の気配は感じられなかった。
入り口付近にも、 各地でよく見かける「昨日は何頭(何匹)」、と言う掲示版も無い。
つまり憶測だが、数えていないのではと思われる。
実際、 この日(水曜日)に受付をしてくださった方も、先週の土曜日以来 今日まで中3日は来ていないのではと判断できた。
よって、ピーク( そういい言葉自体が蛍には失礼なのだが)がいつなのかは、NPO のメンバーでさえ判らないのでは?と思いたくは無いのだが、それはそれでも良いのかも知れない。
来年行く機会が有れば、第3週に 行ってみたい。

2005年からホタルの光跡撮影に取り組み、永年の記録作品として、撮影地やホタルに関する情報ページとして管理しております。

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