相棒の栞  モバイル版

神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷
撮影日時 : 2018−6−24
6月の栞 『千条の滝源氏蛍』
この日も日曜日とは言え、17時半までお仕事。
結局、今月まとも に一日中仕事がなかったのは、3日の日曜日と13日の水曜日だけ 。
気づけばあっと言う間に6月も終わろうとしているのだが、この分だと今年の花火は、行く機会が減ってし まいそう!?
そうならないように一応頑張ってはみますが・・・。

24日は、18時に家を出たとしても、蛍撮影には十分間に合う時間 。
ゲンジなら箱根だし、ヒメなら御殿場。
とりあえず飛翔時間の早 いゲンジから。と言うことで50分かけて小涌谷・千条の滝まで。
千条の滝は殆ど毎年出かけるお手軽スポット。
しかし、ここも自然発生のゲンジボタルのようで、未だにいつが見頃かは把握していな い。
だから、今日のような中途半端な余剰時間に行くのには、 持って来いの場所。
但し、 この日は意外に気象条件に恵まれていたので、満更当てずっぽうで もないのだが。
前日の土曜日が雨。
日曜日は午前中曇り、午後から晴れ 間が覗き、R134から眺める冨士山と茜雲が綺麗だった。
別にそれは本筋ではなく、湿度が高く気温上昇が蛍の飛翔に適しているとい う事。

19時10分、ハイキングコース手前の空き地に駐車。
数年前まで、ここは反対側に有る「金型はこね荘」 の敷地なのかと思ったが、どうもそうではなさそう。
箱根の水道施設があるから、神奈川県企業庁の敷地か?
はたまた公有地か?
いずれにしても文句を言われた事はない。
前日の雨で、千条の滝までの道はグチャグチャ。
崖から流れる清水が、コースを横断して流れ、 スニーカー程度では靴の中に浸みて来そうで、チョッと厳しい。
途中、滝方面から歩いてくる一組のカップルと出会う。
「こんばんわ」と声をかけると「蛍ですか?」と問われる。
「そうです。」と返すと「飛びますか?」と質問される。
「ここは自然発生の蛍だから 、チョッと判らないけれど、殆ど毎年来ているから、今日当たりは飛ぶと思います。」と答えた。
帰ろうか、帰るまいか、躊躇していたので「 後20分もすれば光りますよ!」と伝える。
少し迷ってはいたが「 じゃー」と言うことで、3人で滝へ向かった。
偶然にも同じ藤沢市から来たと言う。
お二人は自分も藤沢だと言う と、多少驚いていた。

カメラ設置が終わる前、19時半過ぎには、 蛇骨川下流側の木立から光り始め、橋の上流側でも3頭が光った。
丁度その頃もう一組のカップルが来て、 静かにベンチに座って蛍観賞をしていた。
しかし、その後がいけな い。
20時頃の飛翔のピーク時に、3組のカップルが次々とやって 来て、光量の大きなLEDライトで辺り一帯に照らしまくり、 折角の撮影も太陽が反射したような銀色の川面の反射となってしまった(枚数少ないので憚らずアップ)。
足場が悪いのと、真っ暗なので、不安感が募るのは解るが、 あたり一面にサーチライトを当てまわるのは勘弁して欲しい。

21時頃になるとカップルは誰もいなくなり、撮影にはチャンスだったのだが、蛍のほうもパッタリ飛ぶのをやめてしまい、 21時30分まで粘ったものの無駄だった。
気象条件が良かった事、蛍の数も20頭程度は確認でき、少な くとも、昨年よりは短い時間ではあったが、風も弱く、 綺麗な撮影が出来た。
特に橋より上流で、可也の頭数(約半分) が飛んでいたのは、何回も来ているうちの中で目立った出来事だっ た。
ただ、上流は上空が開けているのと、 人工の光が漏れてきてしまうので(上には旅館もある)、光跡を綺麗に撮る事はできなか った。
毎年思うことだが、ここで滝の音を聞きながら時間を潰すのは、 マイナスイオンは別として結構なリラックスになる。

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この後、御殿場「ニの岡神社」のヒメボタルへと向かった。
ゆっくり走っても30分はかからないので、22時頃には到着。
まずは昨年も立寄った、廃屋の門前に立つ。
時間が早すぎるせいか、光は見えず。
神社境内へ向かっても良かっ たのだが、どうせカメラマンでごった返しているだろう? と判断。
23時にはまだ時間がたっぷりあるので、 山中湖へ行ってみることにした。
「カメラノキタムラ」が拙宅近くにあった頃、店員のTさんから教えてもらった内緒の場所だ。
彼女が師と仰ぐ富塚先生のギャラリー 近くにあるその場所は、実は広範囲にヒメボタルが生息している。
自分も時間さえあれば、籠坂峠付近から、ハイキング・ コースをしらみつぶしに探索したいのだが、「プータロー」 (無職)にならないと無理かも。

この日は、比較的湖畔に近い場所での飛翔が見られた。
23時時点で僅かだったので、まだ早いのかと思って車内で一休みしていると 、日付が変わる手前辺りから、少しずつ数が増え始め、午前1時過ぎから30分間位は、飛翔のピークで、可也の頭数のシンクロが見 られ、素晴しかった。
1時半を過ぎても多少の減少は有ったが、 見る分には堪えられる数が飛びまくっていた。
が、しかし、突然近くで、人が茂みを分けて歩くような、「ガサガ サ」どころではない「バリッバリッ」と踏みしめて歩くような音が したかと思うと、「ギャン」とも「キャン」 とも言い表せない大声が。
鹿だ!結構びっくりした。
深夜のヒメボタル撮影で、鹿には慣れているし、声も遠くからは幾度となく聞いた事があったが、 およそ15メートル先で鳴かれたのは初めてだ。
なぜ距離がわかったかといえば、鹿を追い払うつもりで、 手をたたいたのだが、逆にその音に反応して鳴き声が返って来てしまった。
いよいよ、これ以上近付かれても危険かな?( 冷静に考えれば、向こうも警戒しているのだから、犬みたいに尻尾 を振って来る訳は無いのだが、真っ暗闇の中では、そう言った判断 さえも、怖さが打ち消してしまう。)と思い、ヘッドライト( 車ではなく自分の頭の)をつけた。
すると、光る2つの目だけハッ キリと確認できたのだ。
暫く相手もこちらを見つめていたが、 美人女性なら嬉しいが、鹿に見つめられても、別な意味で見つめ返す(睨む)しかない。
一歩、二歩と、わざと草を踏む音を大きく立てて、前へ足を踏み出す。
慌てて相手も5メートルほど横に移動。
再びこちかを見ている。
「お前と遊んでいる暇はないんだよ!」 と言いたいけれど、困ったものだ。
やがて向こうも「 何だ、つまんねェー」とばかりに足早に木の陰に消えていった。
お陰で撮影意欲を恐怖心がみるみる侵食、折角「地上の流星」 を演出してくれていたヒメボタルには申し訳なかったが、 帰る事にした。
                            《追記》
7月1日(日)。
今日は21時半に生徒を見送った後、 山中湖へJZA80(愛車)でひとっ走り。
二週間以上乗っていなかったので、 ドライブ気分でヒメボタル撮影へ。
ここのヒメは、 冨士山よりももっと夜更かしで、 23時半から25時半頃が一番飛ぶ。
しかし、数はそこそこ十分だったが、 満月が三分の一ほど欠けた月( 相模湾から21時過ぎに上ったのを確認)が煌々と照り、 木々の斑模様を演出。 いくら枚数を撮っても、非常に汚らしく白黒の斑状態の木々が写るだけ。
この場の雰囲気すらお伝え出来ないの で、潔く諦めることに。
本来なら7月の「相棒の栞」 の第一回目を飾る筈でしたが、「千条の滝」 の付録とさせて頂きます。

2005年からホタルの光跡撮影に取り組み、永年の記録作品として、撮影地やホタルに関する情報ページとして管理しております。

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