| 2月の栞 『見附島(軍艦島)の夜明け』 |
「奈良井宿」の灯明を撮影していると20時20分位から、灯が消され初め(20時30分までの案内なのに)、蕎麦屋も閉まってしまった。折角、店の中の雰囲気も楽しませてもらおうかと思ったのだが・・・。
19号線沿いに、食べ物やさんを捜しながら能登半島を目指すしかない。一端、19号を塩尻まで出て、松本経由で158号を上高地目指すルートを考えていたが、カーナビに「珠洲市見附島」をインプットすると、鳥居トンネルを抜けて、県道26号線を通る道を案内するので、それに従った。しかし、県道に入ると人家はまばらになり、とてもコンビニなどあるような雰囲気の道ではなくなって行った。すれ違う車も数台、ハイスピードで158号安房トンネルを目指す。山の斜面や、日当たりの悪そうなカーブ付近には雪が見られたが、道路は、とても、長野〜岐阜県を走っているとは思えない。こんなに雪が無くて、異常気象ではないのだろうか?雪解け水が無かったら、今後農作物の生育にも影響する筈。心配だ。
6時間ほどかけて、「見附島」の駐車場に到着。駐車車両はトヨタ・アクアが一台。車体は霜で真っ白だった。仮眠を取ろうとしたが、足元から深深と冷えてきて眠れない。エンジンをかけても良かったが、残りの燃料もそれ程多くは無かったし、節約もしたかった。そのうち少しずつ東の空がうっすらと明るくなり出したので、見附島の位置を確認。暗闇に背の高い岩がシルエットとして聳え立つ。色が黒いせいか上部の木々が人の髪の毛のようにボサボサ頭に見える。ネットで調べていた時、その髪型が北朝鮮の最高責任者そっくりの髪型だとか言っていたのを思い出した。車に戻り、非常用に買っておいた菓子パンを食べ、洗面所でコンタクトレンズを洗う。そうこうしているうちに一台のバスが到着して、人が降りている様子。別に気にも留めていなかったから、持ち物までは気にならなかったし、見えなかった。5時半頃、三脚を担いで浜辺に向かう。次の瞬間一瞬j目を疑う。10脚以上の三脚が並んでいるではないか!此れにはいささか焦る。別に撮影場所がなくなったわけではないのだが、奥能登まで来て、こんな時間にダイヤモンド富士狙いのカメラマンと同じような光景を目の当たりにするとは!やっと先ほどのバスが、撮影会でチャーターしたバスである事が、ワイワイ・ガヤガヤした会話の中でわかった。
反面、何か嬉しくなった。見附島から、昇る朝日が見られるのか、いささか不安だったのだが、此れだけのカメラマンが来るということは被写体に不足があろうはずは無い。ツアー以外のカメラマンも、後から数人やって来て、自分がここへ来た事が間違えていない事を確信した。6時少し前、辺りが明るくなってくると、見附島がカラスの鳴き声でうるさくなった。やがて信じられない数のカラスが飛び立った。ツアーのリーダーらしきカメラマンがISOを思いっきり上げて、シャッタスピードを早くして!と声をかけていた。自分も、思いっ切りではなかったが、ISO4000まで上げてみた。レンズは16〜35ミリのF2,8で、その群れを捉えた。カラスの大群は一体何匹いるのよ!と誰もが思う数で、何回も何回も四方八方へ飛び去っていくのだ。上空で、糞の爆撃を受けてもおかしくないくらい(空腹だからその心配なしか?)何度も何度も上空通過。「からす撮影」に夢中になっていると水平線が俄かに一箇所だけ明るくなり、低い雲の懸かった海上に薄ぼんやりと、赤く丸いものが上がって来た。前方の薄い雲に遮られて、その色は真紅だった。残念ながら望遠レンズを持ってきていなかったので、そのアップが撮影できなかったのが悔やまれた。周囲のカメラマンたちもそれに気付き、歓声を上げる。女性カメラマン3名ほどが特にうるさい。ガキじゃあないんだから、集中してシッカリ撮れ!あるいは目に焼き付けろ!
はjめての土地で、感動のシーンにめぐり合えた事に感謝。一睡もしていない自分が、テンション高らかに次の目的地である能登半島最先端「禄剛崎」を目指し見附島を後にした。 |
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