相棒の栞  モバイル版

冨士山ヒメボタル・現地調査
撮影日時 : 2019−7−20
7月の栞 『冨士山ヒメボタル・現地調査』
7月20日、今日は「水戸偕楽園花火」か、お台場の「スター・アイランド2019」のいずれかに行こうと予定していたのだが、例年なら梅雨明けしてもおかしくないのに、ドンヨリした曇り空。湿度が高い上に殆ど無風。こういう時の花火ってドウなのかは誰にでもわかる。折角鎌倉花火を、殆ど煙無しで撮れたものが多かったのに、相模原でやや煙が邪魔し、今日はこの調子だと、いよいよ行くだけ損かな?と思った。特に、お台場はガンガン打ち上がるので、対岸すら霞んでしまうのでは?水戸偕楽園は行った事が無かったし、野村花火工業さんらしいので、条件さえ良ければ是非とも行きたかった。14時くらいまで迷ったのだが、厚い雲は、明るさすらなく、予報では「曇りのまま」と言う事だが、いつポツポツ来てもおかしくない感じ。

一方、ようやく梅雨前線が、太平洋側から少しずつ北上し、日本海側に移って来た。台風の影響もあるが、30度に届きそうな日中の気温、最低気温も25度前後。風弱く多少の雨の心配はあるものの、ヒメボタルさん達にとっては、ようやく活発に飛びまわれる気象条件となった。

先月下旬、箱根のヒメボタルでご一緒させて頂いた、電脳スタジオの社長A氏の話では、箱根と同時期に富士宮の南稜地区でもヒメボタルが見られ、今日は知り合いのM氏が、そっちに行っていると言う話を聞いていた。体が二つないし、今年、折角箱根のヒメの飛翔時期をゲットできたのに、「二兎追う者は一兎も得ず」の諺にしたがって「南稜」は諦めた。しかし後で地図を広げ場所を確認すると、国道469号線「冨士山こどもの国」の先だった。なんてことは無い、昔、冨士山の真上に北極星が来る場所を探して走り回った大渕の少し先だった。と言うことは、西臼塚の南西に位置しているのが南稜と言うことになる。だったら、その中間の山麓にだって、ヒメボタルがいてもおかしくは無い!と考えた。「十里木」の先を県道181号へ繋がる道がある。道の名前を知らないが、もし、冨士山麓で火災が発生したらこの道路で、延焼を食い止めると言うような話を聞いた事がある。そのための道路とは言えなかなかお気に入りの道路だ。雨が続くと土砂が道路を覆ってしまい、殆ど除去作業をしてくれないので、夜間など調子に乗って走っていると、土砂に乗り上げたりして少し慌てる。以前から、車で走りながらこの辺は気にはなっていたが、徒歩での探索はしていないので、新規開拓に気持ちが向いた。

時間があったので更に詳しく「南稜工業団地」の位置を調べて、「西臼塚」と地図上を直線で結んでみた。直線距離にして7〜8キロ。二直線間には、かなりの数の林道が横切る。ヒメボタル研究家の小俣先生や、大学教授の藤森氏によると、「一週間で高度200メートル上昇」説があるというが、その説に従うと、この一帯にくまなくヒメボタルが生息していると仮定すれば、西臼塚の標高1200メートル、南稜地区を450メートルと推測すれば、その差750メートルほどの高度差。750÷200=3,75週.3,75×7=26,25日と出る。今年の南稜は6月24日くらいに出かけたA氏が撮影に成功しているので、単純計算で20日後が西臼塚と言う事になる。机上の空論はこの辺にして、花火用レンズからヒメボタル用短焦点に付け替えて17時30分出発。

国道469号裾野市付近を走行中、近藤師匠から電話が入った。25日に冨士山へ出かけることに関して確認が取れた。もう少し早く連絡があれば、全くのカラ振り覚悟でお連れしてもよかったのだが、残念(てっきり目黒雅叙園辺りに出向かれている事と想像)。もっとも、本当にヒメボタルに会えなさそうな場所の探索のため(撮影目的ではない)、お連れしても気が重い。「冨士山こどもの国」手前から右に入る。入口近くに自衛隊の車両が数台、隊員が物凄い人数(200名は下らない程)繰り出していて、何らかの演習で道が使えないのではと思い右折可能か尋ねた。左側に腰をおろす隊員を横目に見ながら、変な気持ちでエンジンを吹かしお目当ての場所へと。一箇所目はチョッと不気味な「天照教社」付近を探索地点としていたが、脇に自衛隊車両が止まっていたのでパス。その先の林道(名前は覚えていません)を左折、一気に下る。途中途中、「このロケーションにヒメが飛んでくれたら・・・」と言う場所が幾つもあった。アスファルト舗装がして有り県道180号への(多少の)ショートカット道路。そこを一周して20時半頃から道幅の広いところで飛翔を待つ。21時ジャストに一頭だけ草の上を30秒ほど飛び、期待をする。しかし22時になっても、数頭が本当に短く飛んだだけ。半分この場所が選択ミスだった事を感じ始めて行く。22時45分結局セットしたレリーズを一回だけ作動させ微かに左側に写ったヒメを撮影した(一枚目の写真)後片づけに入る。

途中坂を上がりながら何度もライトを消して、2分ほど待ったが、ヒメには出会えなかった。気温が19度、湿度80パーセント以上あったが、これくらいの気温なら冨士山のヒメは飛ぶはず。先ほど左折した道まで戻り、道路沿いに少し行くと、走行中でもヒメボタルが光っているのが見えた。ライトを消し、30秒ほど待つと居るわ!居るわ!。しかし、車を止める場所が無い。一度県道181号まで走ってみてもう一度戻って確認。「冨士山録山の村」に通じる登山道入口までは、光を確認できた。登山道も中まで行こうと思えば行けたのだが、チョッと怖いのでやめた。

今回撮影したのは、車が止められる駐車スペースがある広い場所から道路を渡った茂みの中。ヒメが飛んで居た事の証明にはなると思います(二枚目以降)。
午前一時には、未だ元気に飛んでくれているヒメを惜しみながら、県道181号のほうの調査へ。「冨士山自然休暇村」手前までは少しだけ確認できたものの、その上は2頭だけ。時間が多少遅いかも知れませんが「西臼塚」はまだなのでは?と勝手に判断。25日の近藤師匠ご同行の下調べは出来たのではと勝手に思い、冨士山スカイラインを下る。それにしてもヒメボタルの撮影は、くたびれる。片道2時間半かかるので帰宅は午前4時過ぎ、もう、かなり辺りは明るくなっていて気怠さだけが残る帰り道です。

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