3月の栞 『多度山展望台』

鈴鹿の森庭園で枝垂れ梅を堪能した後は、3キロほど離れた東名阪 自動車道・鈴鹿ICに乗れば帰路につけるのだが、とりあえず、桑名ま では今来た道を北上する事にした。
理由は三重県でも結構見晴らしの良い、多度山(標高400メート ル余り)へのアプローチを考えていたからだ。

見晴らしの良さとアプローチの悪さは比例関係にあることが多いの だが、ここはその典型らしい。
「こよなく夜景を愛する人へ」と言うホームページはよく利用させ て頂いていて、ここにあるコメントは大いに参考になる。
「2008年に通行止めになりました。」とあったが、実際には、 その後に行った方のメッセージが載せられていたので、半信半疑、 とりあえず麓まで行ってみることにした(通行止めならそのまま高速に乗って帰ればいいので)。

宇賀神社辺りの公衆トイレで用を足した後、ナビで確認する。
展望台まで3,8キロ、所要30分と出た。
単純計算で時速7,6キロの計算。
なるほどね!時速10キロ以下とは只者ではない。
実は先ほどのHPには、相当厳しい注意書きが有り、楽ではないこ とは承知していた。
「道幅狭く、対向車とのすれ違い非常に困難」。
「急なヘアピン(サイドブレーキを上手く使える人でないと無理」との コメント)。
実際走ってみて納得。
2000CCクラス(HPにはマークUとあり、古さを感じましたが )以上は自粛したほうが無難。
「小型車のベテランドライバーに限る(免許取得5年以上)」、とも記 されている。
参考までに、実際走ってみた感想を、もう少し具体的に付け加えさ せて頂きます。

@ 車は軽のFFがベスト。
最大でもアクア・フィット・ノート当りで止めて置いた方が良い。
理由=ヘアピン付近の道幅が狭く、ほぼ180度回転が15〜20 箇所あり急坂。
FRだと、仮にハンドルの切替しをした後、 勾配がきつい為後輪が空転して、前進できないケースがFFに比べ て大。
少しバックし、再びトライして上がれれば良いが、 それを繰り返す羽目になると、ガードレールと「チュー」 する事になる。
切替しを1〜2回、下手すると3回しなくてはならない。
たとえ、オートマでも微妙なコントロールが必要。
サイドブレーキ(足ふみ式を含む)との併用不可欠。

A なるべく2人以上で行き、二人とも免許を持っていたほうがベタ− 。
理由=対向車が来たら、どちらかの車がヘアピン付近の多少広くな っている場所までバックする必要があり、急勾配と暗闇の中、必ず 一人が誘導する必要があるため。
実際、自分の前を走っていた軽が、上から降りてきた2台の車と鉢 合わせになり、10分くらい悪戦苦闘。
軽同士なら、何とかすれ違いできる可能性は高い。

B 土曜日の日が暮れてから22時ごろまではそれなりに上から降りて くる車が多いので避けるべき。
上がるなら、昼間のうちに。
理由=とにかくすれ違いが困難。
どちらかがバックする事になり、一台ならまだ何とかなるものの2 台以上繋がるとパニックになる恐れ大。
2台が退避できるほど退避スペースがないので、今回のように自分 が経験した「下から2台、上から2台」のパターンは最悪に近い。

以下、自分の感想。
これまでに山岳道路、林道、多くの悪路を走って来た。

まだ、当時山梨県富士吉田にある浅間神社付近から冨士山五合目( 現在はスバルラインでしか行かれませんが)まで登山道が通行でき た頃、道なき道をFFで制覇した時の危険度(何度もスタック)、 静岡県吉原地区の茶畑を上がった時、車幅ぎりぎりのの農道をUタ ーンできずバックで下りた時の転落の危機などそれなりの体験はあ り。

しかし今回、多度山までの道は、これまでの経験とは別な意味で危 険を感じた。
元々道幅が狭いといっても、本当に崖かガードレールの餌食になり そうな、これほど狭い(特に終点付近)道だとは!
エクストレイルでチョッとやばいかなと思える位の幅しかなく、も し幅が1,8メートルを越える車だと手前で一瞬躊躇するかも?あるいは枝擦り覚悟。
しかも、部分的にはガードレールが落ちていて、ロープで応急処置 をしてあったり、路面のひび割れの大きさも気になった。
更にヘアピン部分の道幅が狭く、しかも急坂のため最小回転半径の 大きいFFベースの車では切替しが必須。
およそ半分のヘアピン箇所で2〜3回ずつ切替しをする羽目となっ た。
もし後続車がいたら、多少冷静さを失って、運転ミスをしかねない 。 

一度、右カーブのヘアピンで切替しを終えてアクセルを踏んだ時、 運転席側の後輪が空転した。
30度くらいはある勾配に、右後輪がついて行けないのだ。
雪道でも空転など経験した事がなかったのに。
如何にこの道路が色々な要因が重なり合って「やばい道」であるか を痛感した。
と同時に、4駆のトルク配分はどうなってんだと自分の車に疑念を 抱く。

展望台までの苦難はまだ終わらなかった。
麓でトイレに立寄っていた時、上がって行った軽自動車のブレーキ ランプが見えた。
接近してみると、対向車と鉢合わせしているではないか!
恐れていた事が起きた。
時刻は22時頃、今時降りてくる車があったのだ。
相手に言わせれば、「今時上がってくる車があるかよ!」だろうが。
しかも2台。
一台はレボーグ、もう一台はいわゆるコンパクトカー。
どうやら、暫く擦った揉んだした挙句、上から降りてきた車が路肩 に頭だけ突っ込んで、軽自動車を交わした。
自分も後に続こうとしたが、通り抜けられるだけの幅ではなかった 。
仕方なく、一度車を降り、落ち葉の積った少し広めのところの地盤 を確認し、バックでギリギリ崖に寄せる。
寄せすぎれば転落しないまでも、地盤が軟らかければ脱出不能、かと言って中途半端では 、すれ違いが出来ない。
レボーグのドライバー、すれ違い様に大きな声で「有難うござーま ーす!」。
向こうも困った事になったと、余程思っていたのだろう?

展望台付近は更に道幅が狭く、対向車どころか自分の車がすり抜け られるのか心配になるほど。
先ほどの軽自動車に展望台付近で追いついた頃に終点。
駐車スペースは2台分、後は路駐気味に止めるしかない。
坂を上がってくるのに苦労した分、気軽に声を掛けられたし、話も盛り上がった。
驚いた事に、免許を取って5年程の女性が運転し、男性が2人同乗し ていた(時代は変わったもんだ)。
後姿での撮影を承諾してもらい、 カメラに収まってもらっている頃、 今度は若者3人組がこちらに歩いて来た。
一体、ここはどれだけ訪れる人が多いのか?
こんな危険な道なのに・・・。
二組ともここは初めてだと言う。
女性ドライバーのグループは愛知県から、男性3人組は地元三重。
しかし、彼らは地元にも拘らず、ここへ来るのにナビが全然違うところを案内し、到 着が遅れたそうだ。
確かに時計は23時に近く、遅い到着ではあった。
彼らからは、「あんな大きい車で、よく上がって来れましたね。」 とお褒めの言葉?を頂いた。
別にそれほど大きな車ではないものの、ここまでの道を考えればギ リギリの大きさかも知れない。
「俺たちも、写真撮ってもらえますか?顔が判ってもいいので」と撮影依頼があったので、快諾。
しかし、相変わらず人物と夜景は下手だ。
もう少し顔にピントが合えばよかったのだが・・・。
ゴメンナサイ!
そして、近チャンギャラリーのアドレスを渡す。

ここは、三重県と岐阜県の県境に位置し、直ぐ下には近鉄養老線が 走っているが、残念ながら余りの急傾斜と木々のため音しか聞こえ ない。
手前から、揖斐川、長良川と合流した木曽川が見られ、明るめの撮 影をすると、川が月夜に反射して綺麗に写る。
その先には名古屋市中心部の夜景が煌々と輝く。
川が三本画郭に入り、その向こうに都市の夜景が見られる構図は初 めて見るものだ。
ただ150度くらいの展望なので、写真の枚数を稼ぐことは出来な かった。
結局、日付けが変わる前にはこの場所を後にした。

下りでも、上ってくる車2台と鉢合わせになった。
幸い、一台一台別々な場所で出くわしたので、事なきを得たが、一 台は軽自動車、もう一台はアクアだった。
矢張り、ここへは大きめの車で来る所ではないようだ。
下ってくる時に確認したが、ヘアピン付近の勾配は異常とも思える 角度で、車高が低い車や、エアロ・パーツを着けた車はパスした方 がいい。
何とか無事に宇賀神社まで降りてきた時は、ホッとすると同時に脱 力感が襲った。
ナビに「自宅へ帰る」をセットすると5時と出た。
5時まで休憩無しで走れる訳ない!
今になって、遠くまで来てしまった事を実感する。

それにしても、この道、危なすぎる。
全然規制もないし、道路の構造にしても管理者の責任の負える範囲 を逸脱しているように感じる。
軽自動車及び許可車両以外進入禁止でもおかしくない。
もしかして、立て札程度の注意書きはあったのかもしれないが、夜 間で見落としたかも?
しかし、見落とす程度の表示ではダメ、、道路標識として目立たなけ れば。
時間帯で、上りと下りを規制しても良いくらい。
過去に事故は起きていないのか?ないとすれば皆さん相当に腕の良 いドライバーか、「君子、危うきに近寄らず」で初めから諦める賢 者なのか?。
初めての道を、夜間に走ったせいもあるが、久しぶりに刺激的な山 道を走らせて貰った。

撮影日:2017−3−11  三重県桑名市多度町柚井・ 多度山展望台にて

<付録>{日産ノート・eパワーに試乗(車に関心がない方は無視してください)。} ⇒クリック

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